
耳をすませば、みなさんはなんどご覧になったことがありますか?ここでは作品の紹介から作中では気づかないネットで語られる裏設定までまとめてみました。何度も見た方も新たな視点で視聴して楽しんでいただけたらと思います。
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耳をすませば ってどんな作品
原作は少女漫画雑誌『りぼん』柊あおいの漫画作品、近藤喜文監督によりスタジオジブリ制作のアニメ映画化。原作漫画版とアニメ映画版では設定や展開が異なります。アニメ映画版では、東京都の多摩市と武蔵野市が背景美術のモデルとなっています。
読書が大好きな中学1年生の少女、月島雫(つきしま しずく)。雫は愛読書の図書貸し出しカードに天沢聖司(あまさわ せいじ)という名が度々あることに気がつき、知らない彼への思いをめぐらす。そんなある日、電車の車内で出会った猫に導かれ、地球屋という不思議な店に迷い込む・・・
耳をすませばの時代背景
時代背景はちょうど昭和から平成へと変わった時期です。映画の放送が1995年、平成の開始が1989年ですから今見るとちょっと昔の話だなーって感じですが当時はタイムリーだったんですね。
原作漫画の裏設定
▼映画では中学3年生、原作では中学1年生
確かに原作の方は幼いです。
▼天沢君の夢はヴァイオリン職人だが、原作は画家
▼原作のムーンは黒猫という設定
▼原作の天沢君には兄がいる
その兄は雫の姉と交際している
他ジブリ作品キャラが実は隠れている
▼雫の部屋には魔女の宅急便の主人公【キキ】の人形が飾られている
▼図書館のシーンで本棚を見ると…TOTOROというタイトルの本がある
▼地球屋で修理していた時計盤に「 PORCO ROSSO 」という名が刻まれている紅の豚の主人公の名前
▼雫がお父さんに弁当を届ける途中、駅のホームの向かい先に海がきこえるの「拓」と「里伽子」がいる
バロンに関する裏設定
『猫の恩返し』では全編にわたって登場するバロンですが、『耳をすませば』では地球屋に置かれている猫の人形として登場します。
地球屋の主人・西史郎は、戦前のドイツへ留学中にバロンと出会います。史郎はバロンの持ち主に譲ってほしいと頼みますが、バロンの恋人である貴婦人の人形が修理中で、2体を引き離すことはできないと断られます。
そこへ史郎の彼女・ルイーゼが現れ、自分が修理の終わった貴婦人の人形を買い取り、必ず2人を引き合わせると名乗り出たことで、史郎はバロンを譲って貰えることに。しかし、史郎がドイツを離れた直後に第二次世界大戦が始まり、ルイーゼと貴婦人の人形は行方不明になってしまいます。
『耳をすませば』ラストシーンについて(ネタバレ注意)
最も重要な名シーンで、最も胸の当たりがむず痒くなるのが、ラストでまだ中学3年生の聖司が言った「結婚してくれないか!」というプロポーズ。
「今すぐってわけにはいかないけど」と前置きしたとは言え、おませな幼稚園児でも小学生でもない、中学生で言うには「早すぎるよ!」と感じるセリフでした。これは宮崎駿が「ただ『好きだ』というだけじゃ弱い」と、後から加えたものなんだとか。近藤監督は後に、聖司が結婚を申し込んだのは"あの白いモヤの向こうを見据えて、2人で歩き出そうとする決意"であり、"(先述した)青春時代に思い描いた理想の表現"。そして、最近の若者の関係が希薄な印象を受けることを憂い、"もっと自分の気持ちを素直に言葉に出したらいいのに"との想いから生まれた言葉であったと明かしました。
柊あおいによる原作は、後に『耳をすませば 幸せな時間』という続編が出版されました。
しかし、内容は中学3年生になった雫たちの進路に触れられる程度で、聖司との関係に進展があったわけでありません。柊も宮崎も、今は亡き近藤監督も、聖司と雫のその後については口を閉ざしており、ファンの間で永遠の謎として扱われてきました。